IVR+がもたらした、小さな歯科医院の大きな変化

「電話が鳴るたびに診療が止まってしまって。もうこれが“当たり前”になっていたんですよね」
そう語るのは、神奈川県横浜市内にあるあおば通りスマイル歯科 院長の吉田 真理先生。
小さな子どもからご年配の方まで、地域の幅広い世代が通うこの医院では、診療中の電話対応が慢性的な悩みとなっていました。
少人数体制ゆえに、「電話には出たい、でも出られない」──。そんなジレンマの中で出会ったのが、IVR+(アイブイアールプラス)というクラウドIVRサービスでした。
企業名 | あおば通りスマイル歯科 |
所在地 | 神奈川県横浜市(住宅地エリア) |
従業員数 | 9名(歯科医2名・衛生士3名・受付兼助手4名) |
平均年齢 | 約38歳 |
月間の電話着信数 | 約200件(1日10件以上が診療中にかかってくる) |
主な電話対応内容 | 予約確認/日時変更/キャンセル連絡/営業電話対応 |
利用中のIVR+機能 | 自動音声案内、双方向SMS、自動応答による営業電話ブロック等 |
吉田 真理先生

──本日はお時間をいただきありがとうございます。まず、IVR+導入前の課題についてお伺いできますか?
吉田先生:
こちらこそありがとうございます。当院は診療台が2台、スタッフは最小限の人数で運営しています。私ともう1名の歯科医師で診療を担当し、受付も基本的に1人体制です。そんな中で、1日に何度も鳴る電話が業務の妨げになっている実感がありました。
──どのような電話が多いのでしょうか?
吉田先生:
朝は特に多いですね。「今日の予約、何時でしたっけ?」といった確認のお電話や、「急用でキャンセルしたい」といったご連絡が集中します。患者さんにとっては当然大事なことなのですが、診療中に手袋を外して電話に出るのは本当に大変で。そのたびに診療の流れが止まり、集中力も途切れてしまいます。
──受付の方も大変そうですね。
吉田先生:
はい。受付では来院された患者さまの対応、会計、カルテの準備などを同時にこなしている中で、電話もすぐに出なければいけないというプレッシャーが常にあります。電話が鳴ると、ピリッと空気が張り詰めるような感じになるんです。それが毎日、何度も、です。
──電話の取りこぼしもあったのでしょうか?
吉田先生:
もちろんです。午前の診療中だけで、着信履歴が何件も残っていることは珍しくありません。「この中に新患さんや急患の方がいたらどうしよう」と思うと、申し訳なさと焦りが混ざったような気持ちになります。しかも、出たと思ったら営業電話だった……なんてことも多くて、心が折れそうになることもありました。
──まさに、対応しきれない状態だったんですね。
吉田先生:
はい。「電話は出たい、でも出られない」状況がずっと続いていました。電話応対は大切だと分かっていながらも、誰かの診療を止めてまで出るべきなのか?と、何度も葛藤していました。
こうした悩みを抱えていた中で、吉田先生が知人を通じて出会ったのが、IVR+(アイブイアールプラス)でした。次の章では、その出会いのきっかけと、導入を決めた理由についてお話を伺っていきます。

──そんな中で、IVR+のことを知ったきっかけは何だったのでしょうか?
吉田先生:
同じ市内で開業されている歯科の先生とお話しする機会があって、「最近、電話対応がずいぶん楽になったんだよ」と言われたんです。「えっ、どうやってるんですか?」と聞いたら、IVR+というサービスを教えてくれました。
──気になって、すぐに調べられたんですね。
吉田先生:
はい、すぐにWebで調べて、資料も請求しました。そのとき初めて知ったのが、双方向SMSという機能です。電話を受けられなかったとしても、患者さんにSMSでメッセージを送って、返信を受け取ることができる。この点に、とても驚きました。
──SMSで返信が受け取れるのは、確かに大きな違いですね。
吉田先生:
そうなんです。他のIVRサービスもいくつか見てみたんですが、どれも「音声案内+通知のSMS送信」が基本で、患者さんからの返信を受けることはできない。でも、IVR+なら「〇日の予約、変更できますか?」といった要件をSMSで返してもらえて、折り返しの電話をしなくてもやり取りが済んでしまうんです。これは本当に画期的だと感じました。
──まさに、先生の課題にフィットした機能だったんですね。
吉田先生:
ええ、電話って“内容が分からないから出ざるを得ない”という部分が大きかったんです。でもIVR+なら、「何の用件か」が事前に分かる。しかもテキストで残るので、診療がひと段落してから落ち着いて返信できる。スタッフの負担も大きく減ると思いました。
──料金面など、不安はありませんでしたか?
吉田先生:
正直、最初は「こういうのって高そうだな」と思っていました(笑)。でも実際には、月額3,000円から始められると聞いて、「それなら試してみよう」と。あのとき背中を押してくれた知人にも感謝しています。
──スタッフの方々の反応はいかがでしたか?
吉田先生:
「電話にすぐ出なくてもいいんですか!?」と驚いていましたね(笑)。でもすぐに慣れて、今では「SMSを見てから対応できるって、こんなに気が楽なんだ」と話してくれます。「少人数の医院には本当にありがたい」と、みんな実感しています。

──IVR+を導入されてから、変化はすぐに感じられましたか?
吉田先生:
はい、思っていた以上に早かったです。まず、朝の診療前後の電話ラッシュがぐっと落ち着きました。今までは、診療の準備をしながら「早く電話に出なきゃ」と焦っていたのが、「まずはIVR+が受けてくれている」という安心感があるだけで、気持ちが全然違います。
──電話が鳴っても、慌てずにいられるようになった?
吉田先生:
まさにその通りです。今までは「出なければ」と反射的に動いていたのが、「用件はSMSで届くから、落ち着いてから確認しよう」と思えるようになったんです。それって、心の余裕にもつながっているんですよね。
──患者さん側の反応はいかがでしたか?
吉田先生:
好意的に受け止めていただいています。特に、お子さん連れの親御さんや、ご高齢の患者さんから「電話に出られなかったけど、SMSで連絡できて助かった」といった声が届いています。「予約の変更をお願いしたいです」と一言メッセージを送っていただければ、こちらで空きを確認して返信できますし、やり取りがとてもスムーズになりました。
──スタッフの働き方にも、変化はありましたか?
吉田先生:
受付のスタッフも、以前のように「電話が鳴るたびに全ての作業を止めて対応する」必要がなくなりました。「焦らず順番に処理できるようになった」「朝のバタバタが本当に減った」と言ってくれています。全体的に、空気が落ち着いたと思いますね。
──今後、IVR+をどのように活用していきたいとお考えですか?
吉田先生:
今は主に予約変更やキャンセル連絡の受付に使っていますが、将来的にはリマインドメッセージの送信や、注意事項の案内などにも活用していきたいと思っています。あと、営業電話が減ったのも地味に嬉しいですね(笑)。
──最後に、同じようなお悩みを抱えている医院の方々へメッセージがあればお願いします。
吉田先生:
「電話対応がしんどい」と感じているなら、一度こういう仕組みを試してみる価値はあると思います。私自身、最初は「自動応答なんて患者さんに失礼かな」と思っていたんですが、実際には“伝える手段が増えた”と感じてもらえているようです。診療の質を保ちながら、スタッフの負担を軽くする。その両立ができるツールとして、IVR+はとても頼もしい存在です。

あおば通りスマイル歯科は、神奈川県横浜市内にある地域密着型の歯科医院です。小さなお子さまからご年配の方まで、幅広い世代が安心して通える「家族で通えるかかりつけ歯科」を目指し、診療とコミュニケーションの両立を大切にしています。
院長の吉田 真理(よしだ まり)先生は、大学病院での勤務経験を活かし、2010年代後半に独立開業。スタッフ一人ひとりが役割を越えて協力し合う、温かく風通しのよいチーム医療を実践しています。
現在は、歯科医師2名、歯科衛生士3名、受付・助手を含むスタッフ4名の体制で、日々の診療にあたっています。スタッフの平均年齢は30代後半で、子育て世代の女性スタッフも多く、柔軟な働き方に理解がある職場です。
完全予約制を採用し、予約は電話とWEBの両方で受付。ただし、ご高齢の患者様からの連絡は依然として電話が多く、診療中の応答や折り返しの対応に負担を感じていたことが、IVR+導入のきっかけとなりました。
IVR+導入後は、電話のたびに業務が中断されることもなくなり、目の前の患者さんにより丁寧に向き合える環境が整いました。これからも地域に根ざした診療と、働きやすい現場づくりの両立をめざして、スタッフ一同取り組みを続けています。