IVRはどんな課題を解決できる？- メリット・導入に適した業界を徹底解説-

1.IVRとは？

IVR（Interactive Voice Response）は、 企業の電話対応を自動化するためのシステム です。お客様からの問い合わせに 自動音声で対応 し、音声メニューを通じて 担当部署に自動で案内 できます。 IVRの導入はサービス向上にとても有効です。本記事では、IVRがどのような課題を解決できるのかについて詳しく解説します。

2.IVR導入のメリット

・コスト削減

従来は問い合わせの難易度に関わらずオペレーターが対応しなければなりませんでした。しかし、簡単な問い合わせ（例えば、残高照会や予約確認など）をIVRシステムが処理することで、 人件費 を削減できます。 また、オペレーターへの 教育コストの削減 も期待できます。IVRの振り分け機能を利用することで、オペレーターは担当ジャンルの知識のみの習得で業務が可能になります。そのため、網羅的な知識を教える必要がなくなり、教育に充てるコストをカットできます。

・業務の効率化

IVRの 振り分け機能 によって、オペレーターは自身の担当分野に関する問い合わせを受けることができます。また、 事前にお客様の情報をある程度把握 できるため、 作業効率の上 を見込めます。 加えて、 営業電話や間違い電話をかけてきた方は自動音声の再生中に離脱 する可能性が高く、オペレーターは本来の業務に集中できます。

・サービスの改善

お客様はオペレーターに直接繋がる前に必要な情報を入力するため、 迅速かつ的確な対応が可能 になります。また、IVRシステムは 24時間365日稼働可能 で、いつでもお客様からの問い合わせに対応ができます。 加えて、自動音声での対応により全ての顧客に対して一貫した対応を提供することができるため、対応の 品質を一定に保つ ことができます。 人為的なミスを最小限に 抑えられることも魅力的です。 さらに、IVRを通じて 収集したデータを分析 することで、 顧客のニーズやトレンドを把握 し、サービスの改善に役立てることができます。

3.IVR導入に向いている業界

・公共サービス（政府機関、公共交通機関など）

公共サービスの案内、料金支払い、紛失物の問い合わせ、サービスの中断・再開手続きなど をIVRで対応できます。これにより、効率的な案内提供や問い合わせ対応の自動化、市民サービスの向上が図れます。

・旅行や宿泊業（航空会社、ホテル、旅行代理店など）

予約確認、変更・キャンセル手続き、フライトステータスの確認、宿泊施設の案内など がIVRで行えます。24時間対応の予約管理が可能となり、顧客満足度の向上や効率的なサービス提供が期待できます。

・物流や配送業

配送状況の確認、再配達の依頼、配達先の変更、料金の支払い などをIVRで処理することで、自動化による効率向上や顧客の利便性向上、コスト削減が実現します。これらの業界では、IVRの導入により業務効率の向上や顧客サービスの質向上が期待できます。

4.IVR利用に向かない業界

IVRシステムは多くの業種で効率化とコスト削減に役立ちますが、対応が難しい場合があります。

・医療業界

IVRは、医療機関などにおける 緊急対応や感情的なサポートには不向き です。例えば、緊急医療のケースでは、迅速かつ個別の対応が必要であり、IVRではそのような緊急事態に対処することができません。また、患者の感情に寄り添った対応が求められる場合も、IVRでは限界があります。

・高級サービス業界

高級ホテルやレストランなどでは、お客様一人ひとりに応じた、パーソナライズドサービスが求められます。しかし IVRは一律の対応しかできないため、個別の要望に対して柔軟な対応が困難 です。高級サービス業においては、オペレーターによる個別対応が好ましいと考えられます。

・金融業界

IVRは、 高度な金融アドバイスを提供したり、詐欺の検出ができません 。 金融商品の選択や投資の相談など、個別のアドバイスが必要な場面では、専門知識を持つ担当者が対応する必要があります。また、詐欺の兆候を見抜くためには、リアルタイムでの判断が求められるため、IVRでは対応できません。

5.まとめ

このように、IVRシステムの導入によって、コスト削減、業務の効率化、サービスの改善など、多くのメリットを享受できます。その一方で、利用場面には向き不向きがあり、導入に当たっては調査や分析が必要です。会社に合った適切な使用により、企業はその効果を最大限に活用し、業務の効率化と顧客サービスの質を向上させることができます。